2026年、自動車サプライチェーンの「生存境界線」
Catena-X、ウラノス・エコシステムに、今備えなければならない理由

独自のデータ形式」が、グローバル取引の壁になる時代へ。iNDEQSで世界基準へ接続準備

Catena-Xとは?:もはや「他人事」では済まされない欧州発のビッグウェーブ

Catena-X」や「ウラノス・エコシステム」という言葉を聞いて、「聞いた事ないし、まだ研究段階のプロジェクトだろう」と思っていませんか? それは大きな誤解です。

『欧州の規制だから、うちはまだ関係ない』、うちはTier3だから・・・・と言っていられる話ではありません。

Catena-Xはドイツが中心となり欧州がアメリカのメガ・プラットフォーマ(GAFAなど)に対抗するために構築を進める、自律分散連邦型エコシステムの一翼を担うデータスペース(データ空間)です。

日本だけではなく、欧州もまたメガ・プラットフォーマにデータ主権を奪われつつあります。Catena-Xは分散型エコシステムのManufactuaring-Xの一部であり、企業単体では抗しきれない圧倒的な力を持つGAFAからデータ主権を奪還すべく、ドイツを中心とした欧州主要国が始めた、大きな取り組みであり、「一過性のDX祭り」ではありません。Catena-Xはこの巨大な共通基盤の中で、自動車バリューチェーン全体のデータ共有の役割を果たします。

活用が広がる分散型エコシステム 

ドイツを中心とした始まったこのエコシステムはCATENA-Xだけではなく、各業界ごとにFactory-X、Chem-Xなど様々なエコシステムが整備されつつあります。

これまで中央集約型であったデータを各企業が分散して持ち、データの主権を確保しながら、共有できるデータを相互利用して利便性を高めたり、イノベーションを促進するのが狙いです。

先行する自動車業界

CATENA-XはManufactuaring-Xの中でも最も導入が先行しているエコシステムです。階層的分業構造の自動車産業は、環境負荷を可視化する「CFP(炭素フットプリント)の算出」や、リコール対応を劇的に改善する「不具合対応時の迅速な品質データ共有」においてこのエコシステムの恩恵を非常に分かりやすい形で教授できます。完成車メーカだけでなく、Tier2、Tier3の下流までそのメリットを享受し、サプライチェーン全体を効率化する効果があります。
これまで日本は欧米の自動車関連規格に対し『ガラパゴス化』していましたが、今回はスルー出来ない事情があります。もはや企業VS企業ではなく、自動車メーカを頂点としたサプライチェーン VS サプライチェーンの構図となり、自動車産業全体の浮沈にかかわる問題だからです。実際、日本の経済産業省が推進する『ウラノス・エコシステム』の始動により、Catena-Xとの連携基盤が整いつつあります。もう紙やExcelでの品質管理は、単に社内だけの問題ではなくなっているのです。

Catena-Xは、BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ボッシュといった欧州の巨大企業が主導し、すでに実運用が始まっています

BMW、メルセデス・ベンツらが主導する巨大エコシステム。品質データやカーボンフットプリント(CFP)の透明性をサプライチェーン全体(SME含む)に要求。

経済産業省による国家プロジェクト。欧州との相互運用を前提とし、自動車・蓄電池のトレーサビリティをデジタル化。

「推奨」ではなく「必須」:過去の共通規格(MT-Connect / OPC UA)との決定的な違い

かつて、MT-ConnectやOPC UA1といった共通通信規格が話題になりました。DXという言葉が浸透する前からこれらの共通規格は「今後業界標準になる」と言われ続けてきましたが、導入が大きく進んだという話を聞きません。これらは「導入すれば生産性が上がる」「便利になる」という、いわば「対応すると便利」な規格でした。そのため、自社にメリットがなければ導入を見送ることも可能でした。しかし、Catena-Xは性質が全く異なります。このエコシステムに参画できない場合、看過できない2重のリスクが顕在します。

顕在化する2つのリスク

  • サプライチェーンから脱落するリスク
    1社でも対応していない企業があれば、そこがエコシステム全体のボトルネックとなってしまいます。エコシステムへの参加ができない場合、最悪サプライチェーンから脱落するリスクがあります。
  • エコシステムを利用できない場合のデメリットが大きすぎる
    Catena-Xの公式ウェブサイトには、BMW、ボッシュ、デンソーがCatena-Xの実装により不具合の検出を4か月短縮し、また新規コンポーネントサプライヤーとシステム統合に要する時間が数か月から5週間に短縮されたという成果が発表されています。『ガラパゴスだから仕方ない』では見過ごせない大きすぎるメリットです。

最大の課題は、システム間の「言語」の壁

多くの現場では、測定機やレガシーシステムから出力されるデータは「知る人ぞ知る、謎CSV」や「うちのExcel」です。これを複数社とデータ共有するには膨大な「変換プログラミング費用」と「時間」が必要です。

  1. 取引先ごとに異なるデータの内容とフォーマット
  2. 現場で発生するデータの形式もバラバラ
  3. 仕様変更するたびにかかる莫大な改修コスト

iNDEQSの「ハイブリッド戦略」:伝統的なISO規格とJSONの融合

品質データの交換には、国際規格 ISO/TR 11462-5(Advanced Quality Data Exchange Format、通称DFQフォーマット)が存在します。あまり知られていませんが、Aは以前"Automotive"の略称でした。(自動車産業以外でも使われ始めたため、Advancedに変更された。)名前のとおり、自動車部品の品質データ互換を実現するために考案されたフォーマットで、自動車関連企業のワーキンググループによって誕生したこのフォーマットには先人の知恵が盛り込まれています。このデータファイルから作られる正規化されたデータベースはCatena-Xなどのエコシステムと非常に親和性が高いため、これを使わない手はありません。

しかしDFQフォーマットには大きな欠点が3つあります。

  • 高すぎる学習コスト: 汎用的なフォーマットではないため、知識を持つ技術者が少なく、自社システムのデータをこの規格に対応させるには膨大な学習時間がかかる 。
  • 変換ライブラリが無い:CSVやEXCELからデータをDFQへ変換する場合は変換ライブラリを自前で作成しなければならず、開発コストがかかる。
  • 汎用エディタが無い: データファイルをデータベースアップローダーに通すまで書式が正しいかチェックできない。

そこで当社は、極めて汎用性の高いJSONフォーマット上に、規格に沿ったデータ構造を作り上げました。規格の持つデータ構造の優位性はそのままに、扱いやすいJSON形式にリメイクしたというわけです。

iNDEQSデータフォーマットを使う圧倒的なメリット

  • 低変換コスト:JSONは豊富なライブラリが存在するため、既存のEXCELやテキスト形式データの変換を短時間で実現できます。
  • 迅速なエコシステム対応:自社のデータベース(DB)へ照会があった際に、EDC2が正しくデータを渡せるかどうかは自社のデータベースの項目が、Catena-Xの標準モデルに対して正しく構造化されているかにかかっています。iNDEQSのDBはJSONフォーマットの構造を受け継いで構造化されているため、EDCと接続するためのアダプター開発が非常に簡単になります。
  • 品質データDXに最適:品質データ管理用DBはただ構造化されていれば良いわけではありません。日々の品質データ分析に使用する事が本来の目的です。正規化されたDBはiNDEQSのアプリケーションと組み合わせる事で汎用DBと汎用BIツールの組み合わせでは実現できない高速で快適な分析環境を提供します。

i-FLEXがデータ変換を加速

プロセスアーツのi-FLEXはiNDEQSフォーマットへの変換を極めて短期間で実現します。

  • 汎用性の高いCSV、EXCELに対応
  • UIでマッピング先を自在に設定 ⇒ 仕様変更に強い
  • 変換ルールの設計、テストを行うマッピングモードと、データ変換とファイル処理をバックグラウンドで自動実行するオートモードを1つのアプリで完結
  • 追加モジュールで特殊フォーマットにも対応
  • 最大10個の異なる書式、変換ルールを高速処理するマルチスレッド仕様

ビッグウェーブを逃すな!

自動車業界は今、100年に一度の変革期の真っ只中にあります。EV化、SDV(ソフトウェア定義車両)へのシフトに伴い、品質管理のあり方も「紙とExcel」から「デジタルデータの相互連携」へと強制的な進化を求められています。ぜひiNDEQSでこの変革の大波を乗りこなしてください。


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注釈

  1. ベンダーや機種の垣根を越えて産業機器間でデータを安全かつ標準的に交換するための国際規格  ↩︎
  2. External Data Connectorの略称。標準化されたオープンインターフェースで、Catena-X ネットワークにおいて、安全かつ相互運用可能なデータ交換を実現するための中核的なゲートウェイ。 ↩︎