品質データ活用への道 Vol6

i-Boardで実現する俯瞰的なデータ視点

前回Vol5「アジャイルマニュファクチュアリングに適したデータ構造」に続く内容です。

品質管理では特定の検査項目で不具合が発生した場合、不具合の生じた1つのデータだけに着目するだけでなく、下記のようなポイントに着目してデータをチェックする事があると前回述べました。

・「同じ設備を使って製造した他の製品に影響は及んでいないか?」
・「公差外が発生した前後の時間帯の部品に影響はないか?」
・「製品ではなく、検査用の治具を変えたのが影響しているのでは?」

安定した品質を維持するためには不合格のデータを特定するという「点」を見つけ出すだけでは不十分で、同じ設備で製造した他部品のデータや、同時刻帯に製造した部品のデータを、切口を変えて俯瞰的視点から「線」や「面」でデータを捉える必要が出てきます。

しかし品質データは刻々とリアルタイムで追加されます。「設備ごと」、「製品ごと」、「特定の期間」など切口を変えてデータを抽出し、分析するために、毎回自席に戻ってパソコンを操作する必要があると、たとえ分析ソフトを使用したとしてもあまり効率の良い作業とは言えません。

INDEQSシリーズのi-Boardは最初に品質管理目線の俯瞰的なデータを表示します。「どのライン、どの工程でどの程度の割合で不具合が発生しているか?」という全体像です。最初の段階で真っ先に問題の多いラインや工程に素早く着目する事が出来ます。

次に着目した工程を「設備ごと」や「製品ごと」などに分割した視点を提供し、「具体的にどの設備や、どの製品で多く問題が発生しているか?」という判断を瞬時に行う事が出来ます。

さらに検査特性までレイヤーを掘り下げると、その検査特性の傾向を表すグラフが表示され、最終的には公差外となっているデータが観測された日時やシリアル番号等の詳細まで到達する事ができます。

このように公差外が発生したデータの周りから徐々に的を小さく絞るアプローチをする事で、問題となっているデータと時間帯や設備などの条件を共有するデータを包括的に確認する事ができるようになっています。

実際のデータドリルダウン(深掘り)の事例は下記動画をご覧ください。


次回は、「アナログ測定機器のデータの扱い」をお送りします。

アナログデータは手入力が必要な事もあります。またデジタルデータは存在していても、「どの部品の何を評価したデータなのか?」というデータ(定義)が無い場合はそれらを手入力で用意しなければならない場合があります。このような場合の、INDEQSシリーズでの効率的なデータを入力方法についてご紹介します。

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